14 絆

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 眞昼は、簡単に答えを出すことができなかった。 「俺は……」 「眞昼!!」  背後から名前を呼ばれた。  ――え?    ブランコに座ったまま振り向くと、街灯に照らされたシルエットが見えた。 「ひ、ざき?……」  暗くて顔は見えない。  それに、晃夜には「保高」と呼ばれるのが常だったから確信が持てなかった。  声は柊崎にそっくりだけど、もしや自分の都合のいいように聞こえてるのかもしれないと、頭は疑問で一杯になる。  でも……。  眞昼は立ち上がった。その反動で、錆びついた鎖がガシャンと鈍い音をたてた。 「柊崎だよな?」  よく見ようと目を眇めた眞昼に向かって、そのシルエットがぐっと近づいた。ほとんどぶつかるように抱きしめられる。 「ぅわっ!」  その身体は熱く強張っていて、心臓の鼓動までもが眞昼に伝わってくる。 「おい! ちょっと! 柊崎なんだよな?」  耳元で、はあーっと長いため息が漏れ「俺以外の男に簡単に抱き締められたら怒るぞ」と囁かれた。その低い声に背中がぞくりと撫でられる。 「うっ……」 「……よかった、眞昼、見つけられて……」  再びため息を吐き、晃夜の腕はさらに強く眞昼の身体を拘束した。眞昼の全身を、寒気に似た歓喜の痺れが襲う。    本当に、柊埼なんだ。本当に来てくれた。  晃夜が傍にいる。その事実が何より嬉しかった。 「まじで何やってんだよおまえ、こんな場所で」  うっとりしかけた眞昼は、ムッとして言い返した。 「何って、決まってんだろ。おまえが迎えに来てくれるのを待ってたんだよ!」  
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