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「眞昼……」
晃夜の真剣な表情は、怖いくらいだった。
強い眼差しで眞昼を真っ直ぐ見つめて、眞昼の両肩をグッとつかむ。手の平が熱い。
「眞昼……本当に? 本当に眞昼も、俺のこと」
「うん、好きだよ。友情も家族愛もあるけど、それよりももっと強い気持ちで俺、柊崎が誰よりも好きだよ。恋人になりたい」
「恋人……」
晃夜の表情が不安げに見えて、眞昼は手を伸ばし彼の頬を引っ張った。
「おーい、なんだよその顔。俺はすっげー嬉しいけど、柊崎はそうじゃないわけ?」
眞昼の言葉に、目を見開いた晃夜の目が潤み、それが宝石のように綺麗で目を離せないでいると、ポロリと大きな滴が零れ落ちた。
「――あ……」
「ちょっ、柊崎?!」
「あ、あれ? ……俺」
涙はみるみる溢れ出し頬を伝い、パタパタと落ちていく。
それを眞昼が手で受け止めるのを、晃夜はぼんやりと見つめている。
「俺……すごい久しぶりに泣いてる」
「最期に泣いたのいつだよ」
「思い出せない」
「ははっ」
眞昼は、晃夜に対する愛しさがどうしようもなく湧き上がって、ハンカチを取り出し次々流れる涙を拭いてやる。
「おまえ、普段はクールなくせに可愛いところあるんだな」
「馬鹿にするなよ」
「馬鹿になんかしてないよ。そんなところも可愛くて好きだって言ってんの! それって、嬉し涙だろ?」
「ん……嬉しいに決まってる。……あまりにも自分に都合が良すぎて、まだ信じられなくて」
「俺も。でも、嬉しい方が勝ってる」
いつもは格好いい晃夜が可愛く見えてしかたがない。
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