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15 誓い
――柊埼とキス、しちゃったよ……
団地の公園内は月明りだけで、周囲は暗かった。
だから、晃夜が車を停めたコインパーキングまで歩く間、街灯が規則的に並んだ道を二人で歩くのは何とも照れくさかった。
俺、顔赤くなってないかな……
晃夜も眞昼と同じように照れていたのかわからないけれど、それでも眞昼は離れがたくて、身体が触れそうなほどスレスレにくっついて歩いた。
晃夜が手の甲で眞昼の手に触れてくるから、まるで手を繋いでいるみたいに感じた。
パーキングに着いて、真昼に「ちょっと待ってて」と言い残し、晃夜が精算機へ向かう。
そのたった一言がひどく甘く聞こえて、眞昼はギュっと耳を押さえた。
「キュンの攻撃力がヤバい……」
晃夜の柔らかい唇の感触をリアルに思い出して、そして自分の耳が熱くて、その場に座り込みたかった。
そうこうしているうちに晃夜が戻ってくる。
「さあ、乗って」
助手席に回り込み、ドアを開けてくれる。至れり尽くせりである。
「あ、ありがと」
俺には勿体ないくらいのスパダリぶり……。これ以上ときめかせてどうしようってんだよこいつは……
照れくささを抑え込むように、眞昼は口の中でブツブツ言いながら助手席のシートに身体を沈めた。
「眞昼」
「ん?」
開いたドア横に立つ晃夜に名を呼ばれ顔を上げると、唇に再び柔らかい感触が重なった。
あっ、と思ったときにはドアは閉められ、晃夜が運転席から乗り込んでくる。
「眞昼、シートベルトを……おい、どうした?」
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