15 誓い

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 ダッシュボードへ額を押し付ける眞昼に、晃夜が驚きの声を上げる。 「体調悪いのか?」  心配そうな声に、また胸がギュン、と疼いた。 「違う、ドキドキしてるだけ……おまえが予告なくチューとか、するからだろ」 「えっ……ダメだった?」 「――ダメじゃないけど、う……嬉しい、けど」  すぐ横で、晃夜がふっと笑う気配がした。 「よかった、喜んでもらえて」 「よっ……」  口をもたつかせる眞昼の頬に手の平を滑り込ませ、晃夜が近づいた。 「この後、もっとドキドキさせる予定だけど……眞昼が嫌なら俺は待てるよ」 「へっ……」  はっきり言わなかったが、きっとこれから眞昼の部屋に行くんだろうな、とは思っていた。  祖母がいる晃夜の部屋ではなく、一人暮らしの眞昼の部屋へ。  二人きりになれる場所へ。  でも俺……具体的なこと何も考えてなかったかも…… 「えっと……」  眞昼はシートベルトを装着しながら、やっと一声発した。なんだか、顔から肩、背中まで熱い。  静かに車が発進する。  パーキング内をUターンした後、晃夜の指が眞昼の手の甲をすっ、と撫でた。 「ぁっ……」 「俺は、眞昼を抱きたい」  熱さが、背中から腰まで広がっていく。 「ずっと、そう思ってたんだ」 「ひ、柊崎……」  たっぷり時間をかけて眞昼が運転席に顔を向けると、刺すような鋭い視線につかまった。  ――あ……俺、これから柊崎に食べられちゃうんだ……  甘い予感に身体が震える。  自分は、まるでライオンに狙われた草食動物だ。
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