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「眞昼、来て」
靴を脱いだ晃夜に腕を引っ張られ、眞昼も急いで靴を脱いだ。片方は横向きに倒れてしまったが、晃夜の靴も似たような状態だった。
短い廊下を歩きながら、期待と緊張が動時に襲って来る。
寝室のドアの前で、晃夜が眞昼の顔をのぞき込んだ。
「そんな可愛い顔して……どうなっても知らないぞ」
「かっ、可愛いって…んんっ」
晃夜の手がドアノブを掴んだのは視界に入ったが、すぐに唇が重なったので言葉を発せなかった。
「ん……んぅ」
唇で口を塞がれながら部屋に押し込まれ、上着を脱がされた。晃夜も自分の上着を手早く脱ぐ。
眞昼は、自分のシングルベッドが視界の端に入った途端、カーッと全身に熱が回った。
「わっ!」
やや乱暴にベッドに仰向けに倒される。室内は十センチほど開いたカーテンの隙間から、月明かりが差し込んでいた。
その光を正面から浴びた晃夜が眞昼を見下ろす。ゴクリと自分の喉が鳴った。
目が合うと、この世に二人きりのような錯覚に陥った。
眞昼は晃夜しか見ていないし、晃夜も、眞昼だけを見ている。
ネクタイに手をかけ、外しながら晃夜が圧し掛かってくる。その壮絶な色気に、眞昼は思わず顔を覆った。
うわ……なんか視界的にヤバい……。胸がキュンキュンするどころじゃない!
晃夜への想いが恋愛感情だと自覚してから、想像したことは山ほどあった。
壁ドンとか、床ドンとか…。でもこれは想像してなかった!
「眞昼の事、凄く大事にしたいけど、もう……我慢の限界」
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