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「体、キツイだろ? 今日は俺が家事でもなんでもやるから、眞昼は一日ベッドにいろよ」
眞昼は苦労して体を反転させ、正面から晃夜の裸の胸に顔を埋めた。晃夜の手が髪を優しく撫でるから、また眠ってしまいそうだ。
「今日一日って。……あれ? 今日何曜日?」
全身がだるく、眠気も残っているせいで、眞昼の思考はぼんやりしたままだ。しかし目の前に晃夜がいて、こうして独り占めしている時間が至福で他のことに考えが回らない。
「今日は金曜日だけど、特別に社長が休暇を許可してくれたんだ。だからお前は好きなだけ俺に世話されてろ」
「へっ、金曜日? ……休暇?」
体に力が入ってしまい、夕べ散々晃夜に穿たれた場所がズキリと痛む。
「急に動くなよ。……俺が無茶したから、痛むはずだ」
晃夜は自分の携帯を眞昼にも見えるように掲げた。社長からのメールらしい。
<晃くんと眞昼に特別プレゼント! 今日は有給休暇にしてあげるから、ふたりでゆっくり楽しく過ごしていいよ。晃くん、眞昼を散々独り占めしてからでいいから、たまには眞昼を貸してね! パパからのお願い!>
まるで子供が書いたような文面に、眞昼は思わずぷっと吹き出した。
「社長と柊崎って、顔そっくりなのに、中身は本当に全然似てないんだなあ」
晃夜が、ややむっとして訊き返した。
「そんなに似てるか?」
「うん。だって、数年後のもっと大人になった柊崎って感じでさ、なんか俺、すっごくドキドキしたもん」
晃夜があからさまにふて腐れる。
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