3 元同級生?

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 もしや同級生を装った新手の詐欺かなんかなのか? とか一瞬そんな考えがよぎるが、眞昼はこの通りギリギリの生活をしている若年貧困民だ。たとえ騙されても取られるような余分な金も貯蓄もないわけで。 「保高くん?」  頭の中を複数の疑問だらけにしたまま、そのままの表情で彼の顔を見ると、目前の端正な顔の中に呆れのようなものも垣間見えた。その表情を見ていたら、このよくわからないモダモダしたやり取りが、不思議と楽しくなってきてしまった。 「あのさ、今日は一週間のうちの貴重な休日なんだよね。俺の休日ってさ、週に一日しかねえの」  彼は目を丸くした。 「は? 週一? 休みが?」 「そう。六連勤で一日休み」 「うそだろ、今月限定で?」  敬語のとれた口調に自然と頬がゆるむ。 「あー、だったらいいけどな~。二年前からこのペースだよ。はは……」  彼は笑わず、真剣な表情だ。 「アルバイトなのに? それで六連勤なのかよ」 「一応パート契約結んでるけどな。……ともかく、そんなわけで平日にできない洗濯したり食料の買い出しに行きたいんだよ」  眞昼が眉毛を八の字にしたままじっとり見つめると、彼はひるんだように顎を引いた。 「あ――、その……貴重な休日に、申し訳ないんだけど、僕と一緒に」  腕時計にちらりと視線を動かし、彼は改まって言葉を選んでいるようだった。 「おまえの名前、教えろよ」 「えっ」  別に母の所へ行くのは別にかまわないのだ。それが眞昼の母親じゃなかったとしても。(いや、それはマズいか)けれど興味は目の前のこの男の方に向いていた。
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