4 母と再会

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 思い切り褒めたから照れくさいのか、その端正な顔がほんのり色づいた。 「のん気なこと言ってられないぞ。保高も同じ立場なんだから」 「なんで俺が。んなわけ……」  見つめあうことに、先にリタイヤしたのは晃夜の方だった。彼はやや瞳を泳がせ、自分の足先を見つめる。 「保高のお母さんの恋人は、俺の父親なんだよ」 「えっ」  眞昼は、穴が開くほど晃夜の顔をガン見した。 「あっ、そういうこと!?」  ――驚いた。それなら晃夜が眞昼を迎えに来たことの辻褄が合うではないか。  驚きつつも、――母の恋人の息子がまったく知らない他人より、晃夜の方が数倍いいなと思ってしまった。 「将来、義理の息子になるかもしれないお前にも、当然その権利があるだろ」 「えっ、やめろよ、そんな変な冗談」 「大真面目な話だ。仕事に関しては俺がフォローするから問題ないけど……。おい、なんでそんなに離れるんだよ」  眞昼はじりじりと晃夜から距離をとるが、腕をつかまれ引き戻される。眞昼はかぶりを振った。 「だってそんなの、柊崎にとったらいい迷惑じゃん。俺がお前の出世街道を邪魔する存在になるわけ? 俺、望んでないよそんなの、なにその展開! 俺たちこれからドロドロの関係になっちゃうよ!」  再会して一日も過ごしていないけど、晃夜との関係が気まずくなるのは嫌だと思った。 「母ちゃんも酷いけど、お前の父ちゃん、なんで恋人の息子の面倒をおまえに見させるわけ? 柊崎にとったらいいこと一つもないだろ、俺嫌だよ、おまえに迷惑かけたくない……」
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