4 母と再会

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 やっと気持ちが落ち着いてきたところだったのに、また心細さが襲ってきた。 「おい、保高」  更に離れる眞昼に対し、晃夜は距離を縮めてくる。涙腺が緩むのを止められなかった。 「やだよ、俺……」  ぐっと強引に手を引っ張られ、肩を抱かれた。 「落ち着けって。――大丈夫だ、俺は迷惑だなんて感じてないから」  背中をポンポンと軽くたたかれた。 「俺がいるから」  同い年の友人からそんな行為を受け、恥ずかしくて戸惑う。 「……大丈夫だから、心配するな」  子供をあやすような優しい手つきに、眞昼の体から力が抜けていく。晃夜の繊細な手を思い浮かべると、徐々に落ち着いてきた。 「――あのさ」 「ん?」 「柊崎ってさ、下に弟か妹いる?」  晃夜は手を止めずに答えた。 「いや、俺ひとりっ子」 「じゃ、帰国子女、とか?」 「一応、留学の経験はあるけど」 「そっか……」  眞昼は、勇気を出して晃夜の肩にこてん、と額を乗せてみた。トゲトゲしていた気持ちがどんどんほぐれていくのを感じた。 「大丈夫か?」 「うん。さすがモテ男は違うね。そのテクは、対男子にも使えるのが証明されたってわけで……あ、ありがと」 「どういたしまして」  ――否定しないんかい!  顔は見えないけれど、クールなイメージの昇夜がどんな表情なのか気になった。ふいに手を握ってみたいと思った。  さっき手首を引っ張られた手の平はひんやりしていた。その手の感触を、自分の手で確認してみたくなる。 「もう元気になった?」 「うん……平気」
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