6 新生活

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「いや、なんか超絶に照れるな! ごめん、変なこと言ってるかも俺。そもそも柊崎は仕事で俺と一緒にいるわけだし、いろいろ迷惑かけて面倒くさいかもしれないけどさ」 「おい」  椅子を引く音がして、すっと右手が解放される。あっと思ったときには、晃夜はすぐ横に立っていた。 「立って」 「えっ」  言われるまま、のっそり立ち上がる。晃夜の目が、ちょうど眞昼の目線と同じになった。  ダイニングの蛍光灯に照らされた晃夜の顔色は、少しだけ青白く見える。  瞳はよく見るとダークブラウンで、まつ毛が長い。眞昼も男のわりにまつ毛が長く、母親ゆずりの「女顔」と揶揄されることが多いが、晃夜は対照的に男らしい秀麗な顔立ちだ。 「何、人の顔見てにやにやしてんだよ」 「えっ? にやにやしてた? 俺」  晃夜の腕が眞昼の首に回り、ギュッと抱きしめられる。 「柊崎?」 「お前にそんな風に言ってもらえて……俺だって、嬉しいよ。保高が来てくれたから仕事がより楽しくなったんだ。だから迷惑じゃないし、面倒くさくもない。お前と再会できてよかったって思ってる。いっそ親父に感謝したいくらいだ」  晃夜の言葉が嬉しくて、眞昼もその背中に両手を回して、きゅっと抱きしめた。 「俺も……兄弟になるのが待ち遠しいな」 「そうだな、二人に葉っぱかけるか」  二人分の静かな笑い声が心地よかった。これから先もずっと、晃夜とこんな関係を築いていけたらいいのに。そう思った。
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