7 依存?

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 ついクスッと笑ってしまうと、『笑いごとじゃないぞ』と、低い声が聞こえた。 「あ、ごめん、だって柊崎、俺のお父さんみたいなんだもん」 『――は? こんなピチピチのイケメンつかまえてお父さん、だと?』 「うわ、イケメンの自覚ありかよ」 『冗談に決まってんだろ、間に受けるなよ』 「別にいいじゃん、実際おまえイケメンなんだし」 『……』 「柊崎?」 『――あ、いや、保高の部屋は毎日寄ってたから、ずいぶん行ってないような気がしてさ。まだ三日くらいなのに変だよな。お前、ちゃんと飯食ってるか?』 「うん、なるべく自炊するようにしてるから大丈夫。柊崎の方が忙しくて大変だろ」  新人くんの面倒とか、とは何となく言えなかった。 『明日はデスクワークに集中したいから、社内にいる時間は長くなる予定だ。久しぶりに顔見て話せるかもな。ただ、明後日から出張だから、当分お前の部屋には行けそうもない』 「出張……って、どのくらい」 『予定は一週間だけど、延びる可能性はある。インドネシアだから』 「インドネシア? えっ、海外ってこと?」 『うん』  海外ってことは、その間柊崎は日本にいないってことか……。  転勤ではなく出張なのだから、そんなに驚く話ではない。なのに、この衝撃はなんなのか。 「そ、そっか。気をつけて行ってこいよ」  言葉と感情がまるで違う。電話でよかった。きっと自分の顔は泣きそうに歪んでる。 『ああ、とにかく、明日は会えそうだから。いいか、冷やすのだけは忘れるなよ。おやすみ』 「……おやすみ」
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