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通話を切ると、眞昼はぺたんと床に座り込み、はふう、と変なため息を漏らした。
「柊崎、インドネシア行っちゃうのかよ」
なんだか妙な緊張感と高揚感が混ざり合っていて、話している間はずっとそわそわしていた。それでいて、いつまでも耳元で晃夜の声を聞いていたいとも思う。
「あああ……なんか俺、色々自分がいたたまれない……」
川村との会話とか、自分の気持ちとか、とにかく色々頭の中渦巻いて、キャパシティをとっくに越えている。
「でも……インドネシアか」
本当に、自分はどうしてしまったんだろう。晃夜が一週間日本にいないというだけで、こんなにも心細いなんて。
ほんと俺って、なさけない。
こんな夜は、シャワーを浴びてさっさと眠ってしまおう。眞昼はスーツを脱いでハンガーに掛けると、タオルを引っつかんでバスルームに入った。
左手首を温めないよう、頭から熱いシャワーを浴び、その後は眠る直前まで繰り返し冷やした。
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