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母との関係性も、恋人というより姉と弟みたいな雰囲気だし。
とにかく腰をすえて話しましょうと母に促され、眞昼は社長に手を引かれ巨大なソファーに座った。社長の手の平は、晃夜より少しだけ大きくて温かかった。
手を繋いだまま、社長は眞昼の隣に座った。正面に母が座る。
「あのね眞昼、驚かずに聞いて欲しいんだ」
晃夜そっくりの真剣な顔で見つめられ、眞昼は別の意味で緊張した。
「は、はい」
「僕は――知っての通り、晃夜の父親なんだけど。眞昼の父親でもあるんだよ」
「はい。……え?」
眞昼は社長の顔をじっと見つめた。さっきとは打って変わり真剣な表情だ。冗談を言ったようには思えなかった。
でも今確かに、俺の父親でもあるって言ったよな。
なんで? 中学の同級生の父親が、俺の父親なわけ……。
緊張しすぎて、眞昼の耳がおかしくなったのだろうか。
思わず母の顔を見るが、いつになく大真面目な表情で、社長の言葉が冗談ではないのがわかった。
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