嫌過ぎる

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私、神谷のえる。29歳。とある会社の庶務の仕事をしているOL。そこそこに大きな会社なので、庶務課と言えど、暇では無い。一応、各課に置いてあるコピー機のコピー用紙チェックやら蛍光灯チェックやら、企画課の資料探しのお手伝いやらで、あちこち出歩いている。仕事の忙しさはそんな感じ。 資料探しの関係で残業が無いわけじゃないけれど、毎日残業でも無いし、営業のように夏や冬に外歩きも無いので、そういう意味では楽かもしれない。でも何でも屋みたいな感覚で様々な頼まれ事もあるから、一概に楽とも言えない。 そんな庶務課に配属されて、5年が経つ。うちの会社は、1年目は、全ての課で研修を受けるのだ。研修期間は課によって違うが、必ず全部の課で研修を受ける。その後、本人の希望する課に配属される。私は、第一希望が企画課。第二希望が庶務課だった。 第一と第二が真逆の希望だった私に目をつけたのが、人事課の課長と庶務課の課長で。私の希望理由を聞いて、手で口を抑えた後、肩を震わせながら、2人の課長に、庶務課配属を告げられた。
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