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テレビが放つ微弱な明かりだけが彼の手元の仮面を照らしている。返り血で汚れた仮面。彼は血痕を指で撫でた。
暗い部屋で、しばらくそれを眺めた。後悔などひとつも無かった。むしろ達成感に満たされていた。ずっと事件を起こす事だけを夢見ていた。
理不尽や不条理に埋もれた日常の中で人間の虐殺を渇望していた。それが今日、ついに叶った。
命ある限り、彼は人間を殺め続けたい。まるで彼は不幸そのもの。人に不幸を与える為だけに生きる害悪な存在。誰かに制止されるまで、それは続く。
この日、とうとう彼が逮捕される事は無かった。
日本中の国民が不安のドン底に突き落とされ、世界中の人々が衝撃を受けた。
彼の名前は瞬く間に全国に広がった。
突如として日本に現れた正体不明の厭世害悪な通り魔殺人鬼、
虐殺仮面。
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