苦手な人

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苦手な人

「生産管理部・生産管理室に異動になりました、桐谷です。よろしくお願いします!!」 異動の挨拶をしてから、3ヶ月が経った。 仕事はまだまだバタバタしている。 引き継ぎを終えて、自分で全ての仕事をこなすようになり責任重大。 私は心折れそうになると、現実逃避で屋上へ。 だんだん寒い時期になってきて全然人が来ないから、現実逃避にはうってつけ。 って電話鳴るからすぐ戻らなきゃだけど。 「桐谷、大丈夫か?」 私はフェンスに捕まり意識を別のところに飛ばしていて、背後に人が近づいてくることなんて、気がつかなかった。 ばっと振り返った。 「主任。」 そこにはなぜか主任が立っていた。 仕事もできて、部下へのフォローも忘れずこなす、将来期待されているエリートサラリーマン。 憧れてもいるけど… 私はこの完璧人間の主任が苦手でもあった。 自分が完璧にできるから、他の人ができないことが許せないのか、無理難題なことを言ってくる。 そして以前、私は仕事でミスをして主任の前で泣いている。 泣き顔を見られて恥ずかしかったし… とにかく苦手。
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