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その時、制服のポケットに入れていたスマホの震える音が聞こえてきた。
……ブブブッ……
椎「…鳴ってるよ?…カレシからのラブコール?」
愛「あはは…」
スマホをチェックするとやっぱり力だった。
『クラス替えどうだった?仲のいい友達と一緒だということを祈ってるけど?俺は寮で同じ部屋の亮と一緒。部活でも一緒だっつーのにさ。それと、報告!今度、春の選抜高校野球で優勝した有名な学校との練習試合すっから見に来ないか?』
(…え?選抜高校野球の優勝チームとの練習試合……?)
愛「い…行きたいっ!」
思わず言葉を発してしまった私に皆の視線が一斉に集まる。
椎「どうした?」
愛「…えっとね……」
私は彼からのメールの内容をシーナに話した。
椎「あぁ、そーか。そんな時期だったよねー…」
選抜高校野球……
力の学校の野球部はこの間の選抜も苦戦した。
ピッチャー層があまりよくないらしくぼやいてたっけ……
(力の出る試合……そんなの絶対に行きたいに決まってるっ!)
私は急いで返信をする。
『行くよー!いつ?学校休んででもいくから日程教えて!それと……』
私はシーナの存在を忘れていた。
椎「…あーあ…世界に入ってるよ、この子は………ん……あれ?…あっ……愛梨…!」
突然、シーナが私の肩を何度も叩く。
愛「え?何?今、ちょっと取り込み中だって……」
「…力に…メールか?」
聞き覚えのある声がした。
(…えっ……)
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