69人が本棚に入れています
本棚に追加
/605ページ
坂田先生の答えが怖かった。
私はドキドキしながら先生が口を開くのを待っていた。
坂田「…あぁ…そうだな…。確かあの学校の野球部は恋愛はご法度だったなぁ。」
やはり坂田先生はそのことを知っていた。
ということは、もしかして……?
愛「あの……」
嫌な汗が背中を流れていく気がする。
そして次の言葉を口にすることが怖くてできない。
そんな私に坂田先生は、
坂田「大丈夫だ。水月クン。君が心配することはないから安心しなさい。私もそんな若い二人の水を差すようなことはしない。」
その言葉を聞いて私は胸をなでおろした。
坂田「ところで、水月くん。今日の話はその話ではない。」
愛「えっ?」
(何の話?跳躍の話?それとも先輩のことだろうか…)
思い浮かぶのはそれくらいしかない。
だけど次の瞬間、先生の口から出た言葉は私の想像とは全く違ったものだった。
坂田「…水月クン……キミ、400をやってみる気はないか?」
(…え?…400…?400って言ったら『走り』……だよね?)
まさかと思った。
この跳躍一本できた私が400?
最初のコメントを投稿しよう!