再会

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何かの間違いじゃないかと思った。 愛「…あの……私、走るのは……」 絶対に無理だと思った。 跳躍は器械体操をしていたということもあり、これまでなんとかやってこられた。 でも、走るのはそんなにできるとは思えないし自信がない。 坂田「水月クン…キミを必ず400でもインターハイに連れていける自信が私にはある。あの藤沢君がやっていた400でもある。君も……彼と同じ風を感じてみたくはないか?」 (…力と…同じ風……?彼が走っていた400を私も感じる?) 先生の言葉に私の心は揺さぶられた。 (でも、私なんかに400なんてできるの?100×4だよね?…やっぱり厳しいんじゃ…) 愛「あの……先生っ…私…跳躍しかやったことないし…」 そういうと坂田先生は、 坂田「この一年、君を見てきた。君は気づいていないかもしれないが天性のものがある。もちろん跳躍も続けてもらって構わない。ただ、せっかくの才能を埋もれさせてしまうのは顧問としては放っておけなくてな。」 (…私が…天性の?…そ…そんなはずないっ。だって、私は小さい頃、あまりにも鈍くさくて走る度に転んでいた。そんな私に天性のものがあるとは到底思えないよ。) 愛「…先生…私そんな…天性のものなんて……」 だけど先生は真剣そのものだった。 坂田「水月クン、悪いようには絶対にしない。だから…考えてみてくれないか?」 本気で言っているのだと思った。 愛「…あの…少し時間をもらえますか?」 坂田「まぁ、じっくり考えてみて…。いい返事を待ってるよ。」
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