王子の逆襲

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(…私……一体……え…) その現実を受け入れられなくて私は呆然としていた。 愛「…やだ…こんな…」 目の前には妖艶な表情をした祐が私の顔を覗きこんでいた。 祐「…愛梨……顔が真っ赤だよ?…可愛い…」 そして握っていた手はいつの間にか私の頬を包み込んでいた。 祐「…頬が凄く熱くなってる…クスッ…」 そう言って微笑むとまた彼の唇が重ねられた。 何度も何度も角度を変えられて―― 愛「…ん……ぁ……ハァ…ぁ……」 息を継ぐのが精いっぱいで自分の声が漏れていることに私は気づかなかった。 祐「…気持ち…いいの?」 全てもっていかれるようなそのキスから私は逃れられないでいた。 (…こんな甘いキス……したこと…ない…よ…) ただ軽く触れて重ねられてるだけなのにどうしてこんなに感じるのだろう。 身動きができないくらいカラダ中が震えるほど感じてしまうキスが存在するなんて知らなかった。 唇が離れると祐は額に彼の額をくっつけて私を見つめた。 祐「…俺を…見て…?…クチュ…」 その瞬間、生温かいものが口の中に入ってきそうになり私は慌てて唇にチカラを入れて侵入を拒んだ。 祐「…ほら……口あけて…?」 そういうと祐は私の顎を掴み、そっと下へ引いて私の口が少し開いたその隙に中に侵入してきて―― 愛「…クチュ……ん…ぁ…ハァ……」 濃厚に絡め合うキスが始まった。 逃げてるはずなのに追いかけられていつのまにか絡めとられてしまう。 祐「…ね…愛梨も……応えて?」 彼は私の後頭部に手を置き固定すると私が彼に応えるのを中で待っている。 祐「…仕方ないな……クスッ…」 愛「…ぁ……ンン……チュクッ…」 唇を離そうとしても彼の力に敵わなくて、ただその甘く優しいキスを受けるしかなかった。 長いキスが終わり祐の唇が私から離れると離れがたそうな透明な糸が私達を繋いだ。 祐「…愛梨……離れたくないみたいだね…クスッ…」 そして私はその気が遠くなりそうなキスにまた飲み込まれていった―――
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