空白の時間

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水月が姿を消して既に一時間が経とうとしていた。 崎「開いてたか?」 力「いや…どこも開いてねー…」 河合から水月が校舎内にいるんじゃないかと聞いた俺は鍵が開いているかもしれないところを探していたのだが―― 崎「てことは、やっぱり校舎にはいないってことか?案外もう部室に戻ってたりしないかなぁ?」 これだけ探していないのだから、崎田の言うとおり既に部室に戻っているのかもしれない。 力「そうだよなぁ。」 崎「一度戻ってみよーぜ?」 俺達はそこを後にし部室へ戻ることにした。 部室へ戻ると河合達が待っていた。 崎「…えっ?まだ水月戻ってきてないのか?」 俺と崎田は顔を見合わせた。 力「…水月のヤツ…どこいったんだよ…」 崎「まぁまぁ、けど学校内にはいるだろ?荷物は置いてあるみたいだし。そうだなぁ。友達とどっかで話し込んでるとかさぁ…」 そう言って崎田が俺を宥めるかのように気休めを言うが俺は落ち着かない。 友達と話し込むと言ったって一時間もなんて絶対にあり得ない。 それにこの俺をこんなところにおいて水月が一時間以上もいなくなるわけがない。 彼女に何かあったのかもしれない。 絶対におかしい。
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