空白の時間

3/9
前へ
/605ページ
次へ
崎「けどやっぱヘンだよなぁ。おまえ…何かやったんじゃねーの?」 (俺?) 思い当たるフシをいろいろと考えてみる。 ……が、思いつかない。 いや、思いつかないこともないのだが…それはどうだろう。 ひょっとして、また帰ってエロいことをされると思って逃げてるとか? いや、だからといって雲隠れするわけがない。 翔「そろそろ部室閉めねーといけねーんだけど?」 河合が鍵をクルクル回している。 恵「そうね。鍵、返さないといけなかったもんね?」 翔「まったく……いい加減にしてくれよ。」 崎「あ…すみませんっ。力!とりあえず外に出そう?」 俺と崎田は急いで部室へ荷物を取りに入った。 崎「…あれ?…まだ大泉……いる?」 崎田のロッカーと祐のロッカーは隣り合わせなのだが、偶然にもそのロッカーから着替えのようなものが挟まって外に出ていた。 俺は躊躇いなく祐のロッカーに手をかけた。 無用心にも鍵はかけられていない。 ロッカーの戸を引くと荷物やら着替えやらがたくさん押し込まれていた。 崎「おっかしーなぁ。大泉は俺より先にダウンし終わったのにさ。アイツ、荷物置いてどこ行ってんだ?」 !!! 嫌な予感がしてきた。 力「崎田、アイツ…ダウン終わったのっていつだ?」 崎「だから俺より先だって…って…えっ……まさか…」 俺と同じことを感じたのだろう。 崎田の顔色が険しくなった。 崎「…そ…それはないだろ……いくら大泉でも…」 崎田は否定したが俺はあり得ないこともないと思った。 もしかして……俺は大変なことをやってしまったのかもしれない。 祐を本気にさせてしまった? 水月は『俺の女』だと知らしめるかのようにキスを見せつけたから…? 力「…なぁ…崎田……おまえらの教室ってどこだよ?」 崎「…あ…もう一回行ってみようか?!」 そして、俺達は再度校舎へと向かったのだった。
/605ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加