空白の時間

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――――――――――――――― ―――――――――――― ――――――――― 俺と崎田は彼女のクラスのある校舎の下へときていた。 崎「やっぱどこも開いてない…」 (開いてない……よな?…いや……何か…引っかかる…) 本当に校舎の中にはいないのだろうか。 何か入る為の手段は考えられないだろうか。 力「崎田、他の校舎からおまえらの教室へ行くことって可能か?」 崎「可能だけど、あの水月がそこまえ機転きくと思うか?」 それもそうだ。 どうってことないところでよく迷子になる水月のこと。 わざわざ自分から迷子になるようなところから入っていく可能性はない。 しかし万が一ってこともある。 それにここは彼女の学校だし。 調べてみる価値はあるかもしれない。 祐も消えていることだし、ヘタしたらあいつが誘導していった可能性だって否定できない。 俺はすぐに崎田の言う他の校舎へと向かった。 そこへ水月の後輩の沙希が駆けてきた。 沙「藤沢先輩!水月先輩……いました?」 力「あぁ、沙希か。それがいねーんだよ…」 沙「そうですか。私も恵先輩と探してたんですが、学校の敷地内全部回ってもいないんですよ。もしかしたら藤沢先輩が帰ったと思って勘違いしてお家に帰ったんじゃないですか?」 確かに言われてみればその可能性もあるかもしれない。 あの天然のことだから勘違いして帰ってしまったとか。 けど、それなら自転車を置いてなんか行くはずがない。 自転車は確認済みだ。 崎「それもあるかも?これだけ探していないってコトはさー…」 (だからそれは絶対あり得ないって…) その時だった。 恵「愛ちゃんっ!!?」
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