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沙希ちゃんを向かえて新学期初の部活が終わった。
先に着替えを済ませた私は外で沙希ちゃんを待っていた。
翔「あれ?…愛梨……俺のこと待ってたのか?」
先輩もちょうど部室から出てきたようだ。
愛「違いますよ。沙希ちゃん待ってるんです。」
毎度ながらこの自意識過剰には呆れてしまう。
翔「なんだ……じゃぁ、今日は三人で帰るか?」
愛「んー…申し訳ないんですけど、今日は二人でいろいろ積もる話もしたいから女同士水入らずってことで…」
翔「…は?…なんだよー…冷てぇなぁ…」
愛「っていうか、翔先輩と私が一緒に帰るっていうのもちょっとどうかなと…」
翔「別にいいじゃん。帰り道一緒だしさっ」
愛「…あの……私…あまり誤解を招くようなことはしたくないんで…」
部活の帰りが遅いということと帰り道が一緒ということもあり、一年の時は一緒に帰ることもあった。
でも、やっぱり誤解を招く行動は控えるべきなのかもしれない。
沙希ちゃんもかなり心配していたし……
翔「誤解?何がだよ?先輩がかわいい後輩の危険な帰り道を心配してやってるってのに…」
愛「もう帰り道も慣れたし大丈夫ですって…」
翔「そういう問題じゃねーよ。俺はおまえのコーチだし?公私ともに面倒みてやらねーと何かあっても困るしなっ」
愛「公私って……」
(『公』はともかく『私』まで必要ないんだけどなぁ……)
翔「当然だろっ……つか、おまえ一応オンナなんだからさぁ…」
愛「一応って……立派な女ですけど…」
翔「立派なねぇ…」
そう言って先輩は意味深な顔で私を見る。
愛「な…何ですかっ?」
そう言うと先輩は私に一歩二歩と詰め寄ってくる。
翔「どこがどうオンナになったか教えてくれよ?」
!!?
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