空白の時間

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……ブチッ…… その祐の行動は俺をキレさせた。 (完全に…挑発してやがる……) 俺は彼女の腕を掴むと自分の方へと強引に引き寄せた。 ……グイッ…… 愛「…ぁ…」 驚いて俺を見つめる彼女は今にも泣き出しそうな顔をしていた。 力「…え…み…水月…?」 視線を合わせようとしても彼女は顔を背け目を合わせようとしない。 (…祐と……何か…あった……) そして今度は祐の顔を見る。 だけど彼女が泣きそうな顔をしているというのに何故かそれを見て微笑んでいるようで―― 俺は確信した。 間違いなく、空白の時間に祐は水月と接点をもったのだと。 このまま放置しておけるはずはなかった。 力「…水月……おまえ荷物とってこい…」 不安そうな顔で俺を見つめながらも彼女は部室へと向かっていった。 そして俺は祐と向き合うことを決めたのだった。
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