困惑の中で…

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力に荷物を取りにいくように言われた私は部室へと向かった。 部室前には既に私の荷物は出されてあった。 そしてその傍には腕を組んで近くの壁に寄り掛かっている翔先輩がいた。 愛「…あ…先輩……」 翔「『あ…先輩』じゃねーだろ…」 翔先輩もまた心配をしてくれていたのだろうか。 先輩は何か言いた気な顔で私を見ていた。 愛「…あの……すみませんでした…」 そんな謝る私に先輩は驚くような指摘をした。 翔「…おまえ…大泉といただろ?」 そのセリフに私の目の前が一気に真っ暗になった。 (…え…どうして先輩がそれを知っているの…?) 愛「…え…何のこと…ですか?」 動揺を隠そうと平静を保とうとした。 だけどそれは隠せそうになくて――― 翔「隠しても無駄だし。つか、俺……見てたから…」 教室内で祐にキスされていたのを見られていたのだろうか。 そう思うと血の気が引いていく気がした。 愛「…見てた…って…」 先輩の次のセリフが怖かった。 だけど私を見据えるその目から私は目を逸らすことができなくて―― 翔「大泉が…一棟から出てきてたけど…?おまえら……校舎で…何してたんだ?」
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