困惑の中で…

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教室内でのことを見られていたわけではなかった。 だけど、祐が校舎内にいたことは知られていた。 それは私と祐が一緒に校舎内にいたことを100%証明できるわけじゃない。 だけど疑われるには十分な理由だった。 翔「まぁ、言いたくないなら別にいいけどさ…」 完全に先輩には見透かされているようだった。 翔「…図星みてぇだな?…つか、藤沢来てんのに何やってんだよ?」 私だってあんなことになるなんて思ってもいなかった。 早く戻らなきゃいけないって、力を待たせちゃいけないって思っていたしすぐに戻ってくるつもりだった。 だけどまさか祐もまた校舎内にくるなんて―― 翔「見てみろよ……あれ…」 先輩の指差す方向。 その先には私の心臓が壊れそうになるような光景があった。 力と祐が睨み合ってる? 翔「あれはちょっとヤバいな。藤沢もだけど大泉も目つきがいつもとは違って…」 力は今大事な時期。 選手権前に何かあって迷惑をかけるわけにはいかない。 (力……) 私は急いで二人の元へと駆けていった。
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