困惑の中で…

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気がつくと私の目の前はユラユラと揺らいでいた。 祐「どうした?そんな顔で…校舎で…なんかあった?」 我慢していたものがプツッと切れた瞬間だった。 力に祐とキスしたことを知られたくない。 そのために今、力の前で私は祐の言うなりになろうとしている。 力に嘘をつこうとしている自分が腹立たしくてならなかった。 ずっとこうやって力を騙し続けていくのだろうか。 約束したのに。 隠し事はしないって、彼にもっと頼らないとって。 裏切りのキス。 そして更に重ねていく嘘―― そんなコト……やっぱり私にはできない。 力「…水月……おまえ…」 力は私の手を引きそっと抱き寄せた。 (…力……ごめん……裏切って……) こんな自分がこの腕の中にいていいのかという罪悪感に苛まれた私は離れようとした。 だけど彼は私をきつく抱きしめて―― 力「…おまえの場所はここだから……」
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