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彼女があんな顔をしていたのは間違いなく校舎で祐と何かがあったからだ。
俺と顔を合わせることができないくらいツラい…
ツラい?
ちょっと待てよ?
確かにツラそうな顔をしていた。
涙も溜めていた。
だけどただツラいだけ?
俺は混乱していた。
祐「力さぁ、何も愛梨のこと分かってないよ。それでよく付き合ってるとか言えるよね?」
そう言って祐は挑発的な目を俺に向けてくる。
力「…祐…おまえ……」
祐「愛梨はさ、綺麗になったよな?」
力「は?」
祐の視線の先には部室の向こう側で河合といる水月。
祐「力が……愛梨を大人にしてくれたんだよね?」
それは俺が彼女を抱いたということを祐が理解しているということ。
だけど本人を前にしてそれを口にはまだしていなかった。
力「…あぁ、抱いたよ。俺は水月を抱いた。だったら何だよ?」
俺は水月が好きで、彼女も俺を好きと言ってくれて受け入れてくれた。
だから俺たちはそういう関係になったわけで――
祐「…俺さ、そこまで頼んでなかったんだけど?」
突如、トーンが落ちたその声とともに祐の表情が変わった。
祐は俺を鋭い目つきで睨んでいた。
そして、
祐「…もっと穏やかにいきたかったんだけどね。仕方がないから俺もこれからは本気でいかせてもらうから…」
それは祐の宣戦布告でもあった。
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