救世主到来

6/16
前へ
/605ページ
次へ
――――――――――――――― ―――――――――――― ――――――――― 由「で、私が必要ってわけだ?」 俺たちは旅館のロビーにあるソファーのあるところで話をしていた。 力「おまえしか思いつかなくってさ…」 西野なら彼女をいい方向へと導いてくれると俺は思っていた。 とにかく、俺はあいつと話がしたい。 その為にはまずあいつを何とか落ち着かさないといけない。 だけど俺じゃどうも難しそうで―― 由「分かった。任せな?…で、あの子どこにいんの?」 力「あ…部屋にいる…」 真「部屋?」 力「…あぁ…言い忘れてた。水月…GW中はずっとうちに泊まってんだよ。」 由「は?」 真「えぇーーー!?」 旅館中に響き渡るんじゃないかと思うくらいの声で真が叫ぶものだから仲居や客の視線が一気に俺たちに飛んでくる。 力「おまえ声デカいって…」 真「だってさ、泊まってんだろ?それって…」 由「ちょっと……あんた、まさかと思うけど…」 西野の目がギロリと俺を見たかと思うと、真が追い討ちをかけるように、 真「…ヤッた?」 !!! (…わ…忘れてた。そういえばコイツらにはまだ俺と水月がそういう仲になってることを言ってなかった…) 俺たちをとりもってくれたこの二人。 隠すことなど許されるわけはない。 力「…ま…まぁ……な……」 俺は二人から目線を逸らして答えた。 …バッシーンーーーッ!!! その瞬間、俺の背中に痛みが走った――― 真「そうかっ!!遂にやったか!…ってか、いつだよ?おい!?」 興奮状態の真がまた大きな声で叫ぶものだから俺は焦った。 (…ってか、ここ、旅館のロビーなんだけど……しかも俺んち……勘弁してくれ…) 力「頼むからもうちょっと静かにしてくれって…」
/605ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加