救世主到来

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――――――――――――――― ――――――――――――― ――――――――――― そして俺はこのGW中にあったこれまでの出来事を二人に話した。 由「そっか……祐が絡んだか……」 力「まだその校舎内で何があったのか俺に話してくれてねーから何とも言えねーんだけどさ…」 真「でもさ、どっちにしてもそれを聞き出さないと進まないよなぁ。」 聞き出せるのなら既に聞いている。 だけど俺じゃどうしたって彼女から聞き出すことができない。 だから西野を呼んだわけで―― 由「ったく…『祐』ごときで何でそんなに苦労してるわけ?」 力「あのさぁ……簡単に言うけど、アイツ…祐は『王子』なんだぞ?」 真「はぁ?『王子』?」 力「…で、祐の『姫』は……水月…なんだよな…」 言ってて何かかなり虚しい俺。 (…っていうか、あぁ…なれるものなら俺が水月の王子になりてぇよ…くそぉ…) そんなひとり落ち込む俺に拍車をかけるように西野が、 由「へー……『王子』と『姫』ねぇ。まぁ、確かにあの二人ってお似合いと言えばお似合いじゃない?うん。」 納得したようにそう言った瞬間、真もまた頷く。 力「西野……おまえケンカ売ってのかよ?」 由「あ?だってさ、愛はそういう『王子』みたいな祐が好きだったんでしょ?今さらねぇ?」 確かに水月は昔っからあの祐の顔が好きだった。 祐を見つめるあの目にどれだけ俺の心が締め付けられたか―― 由「ねぇ、知ってる?愛の理想のタイプ…」 (え?!理想の…タイプ?) 真「何だよ、それ…どういうの?」 由「昔、聞いたことがあるんだけど……聞きたい?…クスッ…」 西野が意味深な顔で俺を見る。 大体予想はつく。 だけど……それが俺の予想と反しているかもしれないところもあるのなら聞いてみたい。 俺はゆっくりと頷いた。 由「まぁ昔の話なんだけどね。よく覚えてんのよ、私。確か…『身長が高くて、細くて、肌は綺麗な白い肌。笑うとすごく優しくて、その笑顔を自分だけに向けてくれるお空が似合う白馬に乗った王子様』…とか言ってたかなー…プッ…」 !!!
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