救世主到来

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力「…な…なんだよ!?」 由「まさかこんな間近で二人の抱擁シーンを見るとは思ってもみなかったわー」 真「…俺も……めっちゃドキドキしたんだけど…」 (…あぁ……やっちまった…) 俺は頭を抱えた。 俺としたことがコイツらの前でこんな姿を見せてしまうとは。 愛「え?どうして由利ちゃんと真クンがいるの?」 力「…えっ…そ…それは…」 由「あぁ、休みだしさ、ちょっと寄ってみたんだよ。そしたら力帰ってるっていうからさ。」 愛「そうなんだぁ…」 全く疑う気配もなく水月は頷いた。 西野のフォローは健在。 っていうか、さすが西野だ。 あの泣いていた水月が笑っている。 俺はホッとして気が抜けた。 由「おいで、愛…?」 西野が水月を自分の座っているソファーへと手招きをして呼んだ。 そして、真は足蹴にされて追いやられている。 (…あぁ……ム…ムゴい……) 愛「由利ちゃぁーん…」 西野の隣に座ると水月は西野に抱きついた。 そんな甘える水月の背中を西野はトントンとたたく。 由「愛は甘えん坊だなぁ…まったく…」 愛「だって由利ちゃん大好きなんだもんっ…」 躊躇いなく抱きつき、西野が大好きだという水月―― 西野が女とはいえ、俺は凄く羨ましいと思ってしまった。 (…まぁ…西野は一応、女だし…な。それに姉貴みたいなもんだし…) 暫くの間、俺は彼女たちのその抱擁と会話を見守ることにした。
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