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目を開くと目の前には由利ちゃんが少し赤い顔をして私を見ていた。
由「…なぁ…愛……あんた、今ドキッとしただろ?」
愛「…う…うん……」
由「私が今、あんたにキスした意味……わかる?」
愛「…えっと……ぁ……もしかして…」
由利ちゃんはその身をもって、私にそのキスの意味を教えてくれたのだった。
由「キスってさぁ、やっぱ誰とやっても初めてっつーのはドキドキするもんだよ。まぁ、特別な相手なら尚更だよ。」
愛「由利ちゃんも、私とキスしてドキドキした?」
由「そりゃぁ、ドキドキしたよ。いくら愛とはいえ、ねぇ?」
そういうと由利ちゃんはちょっと照れくさそうな顔をした。
由「ま…でも、異性はまた特別だろ。しかも、気になってるヤツとかなら。あんただって力にされた時、ドキドキしただろ?」
愛「うんっ。すっごくしたっ。だって力は特別だもんっ!」
私は頭をぐんっと縦に動かした。
由「そんなに大きく頷かなくても…クスッ…」
卒業式の日に交わしたキス。
初めての彼とのキスはやっぱり特別だった。
そして、今も彼とのキスはもちろんドキドキするけれど、慣れてきたというのもあるから、今はどちらかというとそれができるのが嬉しいって感覚。
由「キスなんてね、特に好きじゃなくてもするだけはできるんだって。ほら、私とあんただってできただろ?それに海外では挨拶代わりに当たり前にやってる国だっていくらでもあるんだからさ。」
由利ちゃんの言うとおり、外国の人が普通にキスを交わしているのを見たことがある。
その度にドキドキしていたら体がもたない。
もしかしたら、私は過剰に体が反応してしまった?
由「…愛……祐はね、その『キス』を利用したんだよ。そりゃ、あんたがずっと好きだった王子様のようなあの祐だよ?あんたにとって特別な相手だろ。そりゃ、キスなんかされたらカラダも心も勘違いして当然だよ。あんたのその純粋過ぎるところを祐はよく知ってんだよ。どう攻めれば愛が落ちるかなんて分かってんだよ。それにあんたはまんまと……ってなとこだろ。ホント、愛はおバカさんだな。」
そう言って、由利ちゃんは私の頭を小突いた。
(…私……祐の罠にハマってしまったの?)
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