69人が本棚に入れています
本棚に追加
露天から部屋に戻ってくると、ちょうど水月と西野も風呂から出たばかりのようだった。
真「あれー…?すぐそこの露天なのに長風呂だったんだなー」
由「久しぶりだったからな、風呂入んの。ちょっと二人でイロイロやっててね…クスッ…」
相変わらず西野は俺を挑発。
そして、隣にいた水月を抱き寄せたかと思うとあろうことかその首筋に顔を埋めた。
愛「…ぁ……んん……」
その瞬間、水月の感じてるような声が洩れる。
力「…ちょ……西野!おま……何してんだよ!?」
由「…あー…ごっめーん!愛が可愛すぎてさ、キスマークつけちゃったっ」
(…キスマークって……)
力「おいっ!西野!!おまえふざけんなっ」
俺は女相手だというのにキレそうになる。
由「そうやってすぐに怒んないのっ!ったく、愛のことになったらどうしてそんなにムキになんのよ、あんたは…」
(なんだと?ケンカ吹っかけてんのはおまえの方だろう!?)
力「当たり前だ!水月は俺のもんだ!」
由「へぇ……『俺のもん』だってぇ~」
そう言って西野はニヤニヤしながら俺を見る。
力「…な…なんだよ!?」
由「別に~…でも、ごめんねぇ~。私も久しぶりだったからさ。あまりにもお風呂での愛が可愛くてさ。自分が女だということも忘れて、いっぱい触っちゃったわ。ねぇ、愛?」
愛「…えっ…」
瞬間、水月の顔が真っ赤になっていく。
力「…んだとっ!おっまえ、水月に何したんだよっ」
真「…力!由利の冗談だって。マジになり過ぎっ!」
由「ほんと、これじゃぁ、愛がひとりで悩んでたって仕方がないわねぇ…」
その言葉に俺はハッとする。
由「力…あんた、もっともっと冷静になんなきゃダメだって。」
俺は結構冷静のつもりだった。
今日だって祐を殴りたい衝動に駆られたが俺なりには抑えた方だ。
由「そんなだから、愛とエロいことするときも激しくなって愛が困るんだよ。」
(な…っ…!!!?)
彼女の顔を見ると恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になっている。
力「…水月ぃっ!!!!」
その表情からどうやら風呂の時に西野とそういう会話をしたようだ。
真「へぇ…激しいんだぁ……」
力「うっせぇなぁ……つか、西野…おまえ……水月に何聞いてんだよ!?」
由「何言ってんのよ。私達がいたからこそ、あんた達の今があるんじゃないの?そのくらい報告する義務があるんじゃないの?」
力「…おまっ…それとこれとは別だろっ!!」
彼女にその涙の理由を聞いてくれたのかと思いきや、まさかそんなことまで聞き出していたとはある意味不覚だった。
(…ったく、西野のヤツ…何考えてんだよ!)
そんな俺をシカトして西野は俺達をソファーの方へ行くよう指示する。
その雰囲気からどうやら風呂で水月とうまく話ができたらしい。
余計過ぎることもあるが、とにかく、今は彼女のことだ。
そして、ソファーに全員が座ると西野が言った。
由「で、さっそくだけど、本題に入らせてもらうよ。」
最初のコメントを投稿しよう!