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水月のその『祐に感じた』という言葉に俺は一気に怒りが沸騰した。
水月を見ると、完全に俺を脅えたような目で見ている。
(ヤ…ヤバい……れ…冷静に…なんねーと。けどっ…)
力「な…なんで祐に感じんだよっ…」
真「…仕方ねーだろっ!相手は祐だぞ!?」
力「真っ……離せよっ。俺、別に水月を殴るとか、そういうの絶対にしねーからっ!」
俺は高ぶる感情を必死で抑えた。
そんな俺を確認した真はようやく俺を解放した。
由「あのさー…そりゃ、誰でもするんじゃないの?しかもあの『祐』だよ?愛がずっと好きだったヤツでしょ?感じても仕方ないんじゃない?」
(けど……俺以外の男に……)
しかもあの祐に水月が感じて落ちていくのを想像すると俺は堪えられないものがある。
由「…あ…けど、それは祐が相手だからじゃないかもよ?」
力「は?なんだよ、それ?」
由「実はさ、さっき……私、愛にキスしちゃったー」
それは驚愕の事実――
真「…ゆ…由利…!?」
真はショックな思いを隠しきれず蒼褪めていく―――
力「お…おまえ…ちょ…水月は女だろっ?何考えてんだよ!?」
そういうと、西野はニヤリと笑い、
由「バーカ!勘違いすんなっ。私はそういう意味で愛にキスしたワケじゃないんだって。」
力「じゃぁ、どういう意味だっつーんだよ?」
やり過ぎにも程がある。
いくら幼馴染だからといってやっていいことと悪いことがある。
これじゃぁ、レズの世界じゃねーか。
由「あのさ…力、愛はね……凄く感じる子だよね?」
力「…はぁ?…お……おま……何言ってんだ?」
由「ちょっと唇に触れただけなのにさ、あーんな声出しちゃってさぁ。相手……私だよ?なのに…クスッ…」
力「あんな声って…!?おまえ、どんな声…」
水月は俺と目が合うと真っ赤な顔をして俯いた。
由「私でもあんななのにさ、『祐』だったら……どうなんだろうね?」
まさか!?
真「もしかして、由利……」
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