恋の策略

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由「それと……愛、もういっこ忘れてない?」 全てのことが片付いた。 そう思っていた矢先に西野がまた気になることを言い始める。 そして、水月に近寄ると少し浴衣をずらした。 愛「…ぁ…由利…ちゃん…」 浴衣の首元にはさっき西野がつけたと思われる忌々しいキスマーク。 由「これこれ…」 真「なんだよ、さっき、由利がつけたヤツじゃん。」 力「…おまえなぁ……ってか、それが何だっつーんだよ?」 由「これは消毒。」 (は?消毒…?) 力「え?…どういうことだ?」 またもや俺は嫌な予感に襲われる。 そして、それは的中して――… 愛「……祐に……つけられたの…」 それは今日一番の衝撃だった。 力「…水月……おまえ……まさか…祐と…?」 俺は動揺を隠そうと必死で堪える。 だが、目の当たりにしたそれは現実。 俺の体の中から一気に血の気が引いていく音が聞こえる。 そんな茫然とする俺に西野が言った。 由「説明くらい聞きなよ?」 力「…あ…あぁ。…で、どうしてそんなものっ?」 俺と水月の間にかなりの緊張感が走る―― 愛「…その…祐とキスしたこと…力に知られたくなくて……祐にお願いしたの…」 力「…なんて?」 愛「言わないで…って。そしたら、その代わりにって…。あっと言う間につけられちゃって…」
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