恋の策略

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俺は震えが止まらなかった。 (あんのヤロー……俺の水月に顔を埋めやがってっ…) 力「っつーか、何で水月もそんな要求、受けたんだよ?」 由「しょうがないだろ。弱みを握られたヤツ相手じゃ。それにさ、逃げようとしたって男相手に敵うワケないじゃん。」 確かにそれはそうかもしれない。 けど、だからといってそんなことを受け入れるなんて水月もどうかしてる。 つーか、祐のヤツ、許せねぇっ! 由「あんたがそれ見て、愛とヤレないようにしたんだろ?力ならそれに過剰反応するだろうって…さ。祐もあんたの性格よく分析してるってもんよ。」 あいつ……だからあんなこと言ってたんだ。 『愛梨に聞いてみれば?』って。 遠まわしな挑発―― 俺と水月をそんな手で引き離そうってのか!? ふざけてるっ!! 由「ま、消毒しといたから、後は消えるのを待ちなさい。」 そう言いながら西野は水月の浴衣をそっと直した。 力「つーかさ、おまえ…その役は俺の役で良かったような気もすんだけど?」 由「バカねー。最初に私がつけたフリでもしてないと、話の最中に、あんたみたいなヤラしい男に即行見つけられたら、話になんかならなかったでしょ?どうせ、あんたのコトだ。いつも愛を舐めまわすように見てるんだろうし、そんなものすぐにあんたなら見つけてしまうでしょう?」 (…なっ…!!) 力「…んだとー…!てめーっ!」 (西野のヤツ…マジでこいつ、ケンカ売ってるとしか思えねぇ。) とか言いながら、俺は風呂上がりの水月を見たらいつもその姿に欲情してしまう。 それに今回は自前のパジャマが多かったが、今日は久しぶりに浴衣姿。 また違う意味でヤバいんだよな。 (…あぁ…早く二人きりになりてー…) 由「…ちょっとぉー?あんた、何、一人で世界に入ってるわけ?」 ハッと気がつくと西野が俺を睨んでいた。 力「…あ……」 由「ったく、またエロいこと考えてたんでしょ?」 力「か…考えてねーしっ!」 由「あんたのことだから、どーせ、毎晩毎晩、愛にそういうコトしてんでしょ?」 図星。 つか、西野の言うことは悉く当たっているのが恐ろしい。 力「つーか…関係ねーだろっ」 真「…いいなぁ。俺なんかあんま相手にしてくれねーし……けど!今日は…」 真が期待を膨らませ嬉しそうな顔で西野を見る。 だが、その期待は次の言葉で打ち砕かれる。 由「…フッ……残念だけど、今日は愛と一緒に寝る予定。だから、あんたは力と一緒に寝な。」 真「えーーーーっ!!!」 力「いぃーーーー!?」
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