嫉妬

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力「どうしたんだ?」 愛「…あ…えっと……」 その電話の直後、西野が水月を俺のいる部屋へ連れてきた。 水月は恥ずかしそうに俺を見ては目を逸らし、またチラッと俺を見る。 そんな水月の背中を西野は軽く叩いた。 由「ほら、ちゃんと言いなよ?」 そういうと西野は真を連れて部屋を出て行った。 二人きりになった部屋―― 力「水月?…どうしたんだよ?」 俺は水月の顔を覗き込む。 すると、恥ずかしそうな顔をして、 愛「あ…あのね、由利ちゃんとじゃ、その……ね……眠れなくて…」 彼女から思わぬ言葉が返ってきて俺は驚いた。 力「もしかして……俺がいなくて淋しかった…とか?」 俺は半分その返事に期待を込めて水月に聞いた。 愛「…う…うん……」 俺は何て幸せなヤツなんだろうか。 やっぱり帰省して良かった。 ……グイッ…… 愛「…ぁ……」 力「…こいよ。」 俺は彼女の腕を引っ張ると腕の中へと引き入れた。 すると水月はそのまま俺の背中に手を回して、 愛「…あったかい……力……」 冷えたのだろうか。 少し彼女の体温が低いように感じた。 力「寒いのか?」 愛「…ちょっとだけ……」 力「じゃぁ、俺があっためてやるよ。」 そう言って彼女を掬うようにして抱き上げた。 愛「…え……ぁ……力?」 力「…向こう……行こう。」 そして、そのまま布団の敷いてある方へ向かった。
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