嫉妬

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布団に寝かせると、彼女が不安そうな顔で俺を見つめた。 愛「…え……えっち……しないよね…?」 水月は拒絶するような体制で身構えた。 力「…しねーよ?」 愛「ホントに?」 力「けど、おまえの中でそういうの、どこからかしんねーけど、俺の範囲はおまえとまた違うからなぁ…」 あんな可愛いことを言われて、何もするなという方が無理というもの。 力「…水月……」 俺は彼女の首筋に顔を埋めた。 愛「…つっ……力っ……や……やぁ……」 力「…おまえが……そんな反則なコト言うからだぞ…」 愛「…え…反則って……ん……ンン…」 その柔らかな唇をキスで塞ぎながら、俺は彼女の弱いところを攻めていく。 愛「……ぁ……やぁ……ん…ぁ……」 その彼女の声が一気に俺の欲情を駆り立てていく―― 力「…水月……イヤか?」 愛「…ぁ……ゃ……」 愛撫に悶える彼女から返事はない。 それが彼女の返事だと思った俺はそのままコトをエスカレートしていく。 力「…いい…よな?」 愛「…あ……」 そっとその浴衣に手をかけ、その帯を解こうとしたその時だった。 愛「…やだっ!……今日は…しないっ…」 その表情は本当に拒んでいるようだ。 そんな彼女を無理矢理抱くことはできない。 それにあんなに拒絶する表情を見せられたら『俺の』もいつの間にか萎えてしまっているし。 仕方がない。 力「あー…ん、分かったよ。じゃぁ、今日は一緒に布団入って話しようぜ?」 そう俺が言うと、水月は凄く嬉しそうに微笑んだ。 愛「うんっ」 俺に向けるその笑顔が見られるのなら我慢するか。
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