嫉妬

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力「おまえなぁ……」 彼女の中で俺の印象はそういうイメージが定着してしまっているんだろうか。 愛「あ、けどね、力が物知りで良かったって思うよ。」 力「え?」 愛「だって……その……気持ちよくなる方法……いっぱい知ってるし…」 そう言って彼女ははにかみながら俺から視線を逸らす。 その姿が俺にはたまらなく、また『俺の』が更に反応し始める。 力「だろ?だったら俺の言うこと……ちゃんと聞けよ?」 愛「…でも、聞けることと聞けないことがあるかも……」 力「ん?なんだよ、それ…」 愛「だって……力、たまにおかしなことするし。えっちするトキ……なんか……いっぱいヘンなことする…よね?」 力「はぁ?」 愛「ねぇ……そういうの……その……どうやって知ったの?」 いきなり何を言い出すのかと思ったら。 でも、彼女の表情は真剣そのもの。 力「…あー……まぁ…いろいろ…だな。」 そういうサイトやエロ本とか見てましたと言うのもどうかと思った俺は適当に流した。 (つーか、コイツはどうしてこんなワケのわかんねー質問するんだ?) 愛「いろいろ……そうなん…だ…」 さっきまでの笑顔はどこへ行ったのだろうか。 気がつくと彼女の表情は少し暗い。 力「…どうした?水月?」 気になった俺は彼女の顔を見ようと、彼女の顎に触れ自分の方へ向かそうとした。 愛「…なんでも…ないよ。」 そう言って俺のその手を振りきって視線を逸らす。 力「ん?なんだよ…?どうしたんだよ?」 明らかに機嫌を損ねたようなその表情。 俺はしつこく、彼女の顔を見ようと彼女の顔に手をかける。 力「なぁ…マジでどうしたんだ?」 その時だった。 愛「なんでもないったらっ!」 その表情に俺は驚いた。 悲しそうに涙ぐむ彼女の瞳―― 愛「…ぁ……ごめん……」   そう言って彼女は俺に背を向けた。 (…まさか……) 力「なぁ…おまえ、もしかして…焼いてんの?」 愛「…ちっ…違うもんっ」 明らかに動揺したような声に俺は確信した。 彼女は俺がそういうものを見ていたことにショックを受けたようだ。 力「おまえさ、バカだろ。それは知識を得る為の手段であって…」 愛「で…でも、そういう…その……他の女の人のカラダ見て……えっちな気持ちになるんでしょ?」 確かにそういった媒体で見て気持ちを高めたりはする。 だが、それは『俺の』欲望の処理をする為であって―― 力「…そりゃ、男ならなぁ…」 愛「…やだ……」 力「は?」 愛「…そんなの……やだ……」 水月が嫉妬してくれている。 不謹慎かもしれないが、俺はその彼女の気持ちが嬉しかったりする。 (…ったく…コイツは……) 俺はそっと彼女を背中越しに抱きしめた。 力「なーに言ってんだよ?あのさぁ、確かに男ってのはそういうのに頼らざるを得ないときもあんだよ。けど、俺には今、水月がいる。そんなもん全然必要ねーし。それに……」 愛「…それ…に?」 力「おまえ以外の女のカラダなんて全然興味ねーし、俺……おまえじゃねーと感じねーんだよ。」
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