嫉妬

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俺の中での『女』は水月しかいない。 だから水月が俺にヤキモチ焼いてくれるのはすげー嬉しいけど、そんな必要は全くないわけで―― 愛「…ごめんね……祐に…その…感じて…」 忘れていた現実に引き戻された俺たち。 彼女もまた今日のあの忌々しい出来事を思い出してしまったのだろう。 力「そうだよ。おまえだって、祐に感じたじゃねーか。」 ヤキモチ焼くなら俺の方だ。 生身の人間に彼女の唇を奪われたその方がよっぽど問題だ。 愛「けど、それは勘違いだし…」 力「でもな、俺はすげー嫉妬した。」 その瞬間、彼女が俺の方へと振り返った。 愛「…ごめん…ね?」 その出来事を打ち消したくて俺は彼女にキスをした。 たった数秒のキス―――… それなのにそれは俺を最高に幸せにさせる。 唇が離れると名残惜しそうに俺を見つめる彼女の瞳。 その瞳に吸い込まれるようにまた俺は彼女に口づけた。 想いを確かめるように繰り返すそのキスは俺を高ぶらせていく━━ (……やりたい…っ……) そんな俺の思いなど知らずに水月が、 愛「ねぇ…その……えっと……力…誰かと…えっちしたことあるの?」 力「はぁ?」 またもやその彼女の驚くべき質問。 力「なっ…なんでそんなコト聞くんだよ?」 愛「…だって……そういうの……力……すっごく詳しいし、しかも上手っていうか……脱がすのも…なんか手馴れてるみたいだし…」 彼女に触れるトキ、俺は冷静を保とうといつも必死だ。 だが、それが逆に俺をそんな風に見せていたとは思いもしなかった。 力「おまえが初めてだよ。」 愛「え?そう…なの?…でも…あんな…?」 水月は納得いかなさそうな顔で俺に疑いの目を向ける。 力「ま、妄想の中では何度もおまえとヤッてるけどな。」 愛「えぇっっ!?」 力「おまえが、振り向いてくれねートキ……悪りーけど、想像でだけはさせてもらったわ。」 愛「…〇▽×※☆…」 中学の時の帰り道、俺は彼女にちょっとした悪戯した。 その時に俺に聞かせたあの声―― 彼女のあの声に俺がどれだけ欲情したか。 あの晩は眠れなかった。 力「おまえの感じる声……たまんねーしなぁ…」 そう言って俺は彼女の顔を覗きこんだ。 愛「…つっ…力のばかーーー!」
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