深まる絆

3/5
前へ
/605ページ
次へ
愛「…ぁ…やぁ……力!ちょっと待って!まだ聞きたいことあるのっ」 彼女のカラダに触れようとすると、彼女は慌てて、俺のその手首を掴み阻止した。 (聞きたいコト?) 力「後からじゃダメなのか?」 愛「…うん…今……ちゃんと聞いておきたいのっ。」 いつになく真剣なその表情にそれは彼女にとって大事なことなんだと思った俺は行為を止めた。 力「…分かったよ。聞くよ。けどヤりながらでも…いいんじゃね?」 もちろん話はちゃんと聞くつもりだ。 だけど、ヤる気になったこの感情をすぐには抑えられない。 俺は彼女を布団に縫い付けると、彼女の首筋に顔を埋めた。 力「…で……なんだ?」 愛「…ぁ…ぁ……んー……ハァ……だ…だめぇーーーっ!」 耳元で大きな声で拒絶されたものだから、さすがの俺も引いてしまった。 力「…っちょ……おまえ、ひっでーヤツだなぁ…あー…もう仕方ないな。」 そう言って俺はゆっくりとカラダを起こした。 愛「…ごめんね。けど……ちゃんとしておきたいことがあるから…」 (ちゃんと……しておきたいこと?) 力「え?なんだ、それ?」 愛「あのね……よく分からないんだけど……その……コドモ…できないよね?」 力「は?子供?」 何を言い出すかと思ったら、いきなり『コドモ』発言。 けど、彼女の顔はかなり真剣で、思いつめたような顔で俺を見ている。 愛「由利ちゃんに言われたんだけど、『ちゃんとヒニンしてるのか』って…」 力「…っ…」 今度は何を吹き込んだのかと思えば『避妊』かよ。 確かに大事なことではある。 だが、俺もそれは徹底している。 (つーか、西野のヤツ……どうも、俺のコトを信用してねーみてーだなぁ…) 力「それな。心配すんな。ちゃんとしてるよ、俺。」 愛「どうやって?」 力「どうやってって……は?…えっ!?」 (まさか……!?いや、ちょっと待てよ!?そんなコト……フツー知ってるだろ?……いや…待て………コイツに限っては常識は通じねーところがある。もしかしたら……ホントに知らねーのかも…?) その行為すら知らなかったワケだから、避妊のことまでは知らなくて当然かもしれない。 それにしてもどう説明しよう。 下手に説明して、また彼女が不安になるくらいなら今は説明すべきじゃないのだろうか。 うん、そうだな。 頃合いを見てにしよう。 力「まっ…まぁ、それは男がやることだから……おまえは知らなくてもいいよ。」 ここは適当に誤魔化すのが正解だ。 俺は差し障りのないように答えておいた。 愛「けど……」 不安はやはりあるらしい。 確かに不安になっても仕方ない。 今『コドモ』なんて出来たら大変なことになるわけだし。 それに彼女にコドモなんて育てられるはずがない。 まだ本人がコドモみたいなものなんだから。
/605ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加