69人が本棚に入れています
本棚に追加
由「ちょっと…愛……あんた本気でそんな風に思ってんの?あのさ、ただ、やりたいだけだって、あいつは。」
(やりたい……だけ?)
由「そりゃ、あんたみたいな可愛い女が傍にいたら…ねぇ…」
由利ちゃんは呆れ顔でため息をついた。
由「あんた言いようにやられてるだけだと思うよ?もうちょっと自分大事にしなきゃだよ。」
その由利ちゃんの言葉に私はショックを受けていた。
もしかしたら、彼が帰省したのはえっちがしたかったから?
私と付き合ったのもまさかその為?
もしそうだったら……
愛「由利ちゃん……それってホントに私のコト好きなのかなぁ…」
突如襲われる不安――…
由「まぁ、力があんたのことを好きでたまらないことは私が保証するわ。ん、やっと手に入れたんだから離したくない一心ってトコじゃないの?」
愛「私、そんな……えっちとかしなくても、力から離れないけど…」
一緒にいられるだけで、ただ寄り添っていられるだけでも私は幸せだ。
だけど、力は違うの?
由「へぇ…じゃぁ私が迫ってもいい?」
愛「…っ…!?」
その驚くべき由利ちゃんのセリフに息を呑んだ。
愛「由利ちゃん……本気…?」
由利ちゃんの表情は、まっすぐに私を見ていて真剣そのもの。
…嘘……でしょ……?!
由利ちゃん……もしかして、まだ力のこと……?
どうしよう……
でも、もう彼とは……
愛「…由利ちゃん…私……」
その瞬間、その緊迫した状況は一気に崩れ去った。
由「ププッ……もう!冗談に決まってんでしょ?」
愛「…え……」
由「もう全然興味ないわよ。あんなエロ王子なんてさっ」
私はホッと胸を撫で下ろした。
由利ちゃんがもし力を好きだなんて言ったら、どうしようかと思っていた。
愛「由利ちゃん、もうヒドいよー!」
由「ゴメンゴメン。ちょっとあんたの気持ちを確認したかっただけだって。でもさ、もし、私が力のコトを今でも好きだなんて言ったとしても、今のあんたなら力を私に渡さないでしょ?」
愛「…うん……」
その時だった。
部屋のドアが開く音がした。
最初のコメントを投稿しよう!