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気がつくと、私はそんなセリフを言ってしまっていた。
力「は?」
真「おっと!重大発言っ!」
力「…水月……どうしたんだよ、いきなり…」
彼を誰にも取られたくない。
そんな嫉妬心から出てしまった。
さっき、由利ちゃんが冗談で言った言葉は思いの外、私の心を揺さぶっていた。
由利ちゃんは私にとっていつも憧れの存在。
大人で何をやってもスマートでかっこいい。
そんな由利ちゃんがもし、力のことをまた好きになってしまったら絶対に敵うわけない。
さっきのは冗談だって言っていたけれど、万が一、何かの拍子でもう一度好きになる可能性だってあるかもしれない。
そうなったら……
愛「…私が一番力のこと好きなんだから……」
力「…水月……おまえ……」
その時だった。
由「あーあー…だから、そんなマジになんないのっ!さっきのは冗談だって言ったでしょ?」
愛「でも…」
由利ちゃんの言葉は私に凄く突き刺さることが多い。
そして、いつも大切なコトを教えてくれる。
だから、今までどの言葉だって私は聞き逃さないようにしてきた。
その由利ちゃんが冗談でもあんなコトを言うとやっぱり不安になる。
由「あのさ、心配いらないって。私はこんなヘンタイには興味ないから。」
力「な……ヘンタ……ちょ……西野…っ!おまえなー!」
由「力……あんた、ホント愛をうまく仕込んだわねぇ。ったく、もう愛はあんたにベタ惚れだわー」
力「えっ?」
力は驚いたような顔で私を見つめた。
力「…おまえ……」
愛「だって、私の方が力のこと好きになっちゃったんだもんっ」
今、ちゃんと彼に伝えたいと思った。
私の気持ち。
きっと、もう今は、彼が私を想う気持ちよりも、きっと私が彼を想う気持ちの方が大きい。
愛「誰にも渡したくないよ…」
そう言って彼の胸に顔を埋めた。
すると、彼もまた私を抱きしめてくれて、
力「何いってんだよ。俺だっておまえのコトめちゃくちゃ好きだし、誰にも渡したくねーし。」
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