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愛「もう勝手に言っててください…」
相手にしてられなくて私はプイッとそっぽを向いた。
翔「…まぁな、ん、おまえには藤沢がいるしな?今んトコ俺には付け入る隙がねーみてーだし?…クスッ…」
また冗談言ってる。
愛「もう冗談今日は多過ぎです。ていうか私にはこれから、ずーっと先も彼だけですからっ」
沙希ちゃんにも言われて改めて思ったけれど、私にとってやっぱり力が大切。
だからどんな人にも隙を見せちゃいけない。
翔「先ねぇ……けど人の気持ちに絶対とか俺はないと思うけどな。」
それは翔先輩が経験したからこそ言えること。
もちろん私にもあてはまることで……
愛「でも……私は絶対に彼だけですから……」
翔「まぁな。恋愛中はそうなるか。ん、俺もおまえ一筋だしなぁ…」
愛「…また…何言ってるんですか…冗談好きですねぇ。」
翔「…いや……冗談とかじゃなくってさ……」
先輩を見ると何故か真剣な顔で私を見つめていた。
翔「俺、ずっとおまえ一筋だぜ?」
冗談を言っているようには思えなかった。
愛「でも、先輩の気持ちには私…」
翔「…いいよ…それでも。人を好きになるのは勝手だしさ。それを止める権利は誰にもねぇよ。」
信号が青に変わった。
先輩が自転車を漕ぎ始め先をいく。
翔「ま、藤沢に厭きたらいつでも俺のとこにきな?…フッ…」
もう冗談なのか本気なのか分からなくなってきた。
愛「それは絶対にないです。」
翔「そうかー?ハハッ……」
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