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力「おわ……西野…!」
そこには睨みを利かせて立つ西野。
由「ちょっと、真にヘッドロックとかやめてくれる?それでなくてもバカなんだから、コレ以上、真のバカ度が上がったら、私、困るんだけど?」
自分の彼氏だというのにこの扱い。
水月なら絶対にあり得ねぇセリフ。
真「由利…バカ言い過ぎじゃね?」
由「あれ?ホントのコト言ったまでだけど?違う?」
真「…うぅ……そりゃ、俺はバカだよ。けどな、おまえを想う気持ちは、俺、バカがつくほどマジだし!それでもおまえの彼氏だし!」
崎「えっ?おまえら…って……つきあってんの?」
崎田にはまだそのことを言っていなかったのだろうか。
崎田は真と西野は単なる幼なじみと思っていたのだろう。
真「付き合ってるけど……」
崎「……っ……えぇーーー!?」
呆然とする崎田。
その時、着替えを終えた水月がやってきた。
愛「あれ?崎田クン、どうしたの?そんな大声出して……え?もしかして……『樹里』いたとか?」
その言葉に今度は挙動不審になる。
崎「えっ?ええええっ?…どこっ?」
その『樹里』という気になるヤツの名前が出たからか、崎田は人が変わったような動きをしている。
初めて見たその崎田の慌てふためく様子に俺は驚いた。
(…クッ…崎田って分かりやすいわ…)
いつも冷静沈着のはずの崎田がこんな姿を見せるとは思いもしなかった。
力「おまえ……焦り過ぎだろ。」
崎「え?…あ……あぁ……」
愛「崎田クン、樹里のコト、力から聞いたよ?私できることはするから。だから頑張ってね!」
崎「マ……マジ?ありがとう、水月!」
愛「ううん。崎田クンならきっと樹里も好きになると思うよ?応援する。」
崎「ホントに?じゃぁ、俺、頑張って彼女振り向かせるように400頑張るわ。おいっ!力、今日はみっちり教えてくれよ!?」
そういうと、崎田は急いで部室の方へと駆けていく。
(あいつ……頭沸いてんな……っつーか、崎田の色恋沙汰なんて初めて聞くもんな。水月…うまくやってくれたらいいんだけど…)
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