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祐「まぁ確かにあんな程度じゃね…」
力「あんな…程度って…」
水月が昨日のあの忌々しい出来事でどれほど苦しんだか。
あんなにツラそうな顔をして泣いていたあの姿を思うと俺はたまらない。
力「…祐……頼むからさ、もう水月を傷つけることやめてくんねーか?」
もう祐のことで水月に苦しい思いをして欲しくなかった。
俺は何度も彼女が泣く姿を傍で見てきた。
その殆どが祐に関することで、その度に俺はどれだけ胸が締め付けられたか。
祐だって水月のあの笑顔が好きだったはず。
それなのに――…
祐「俺だって愛梨を傷つけたくなんてないよ。」
力「だったら手ぇ引けよ。ようやく、あいつ、笑えるようになったんだよ。だから…」
祐「それはできない。」
祐は俺の方をしっかりと見据えた。
そして暫く沈黙が続いて――…
祐「…力……前にも言っただろ?愛梨はさ、『俺の女』なんだよ?」
(『俺の女』?)
力「は?何言ってんだ、おまえ!?」
この前も祐は同じようなコトを言っていた。
けど、どう考えてもその台詞はおかしい。
今、俺は水月とつきあっている。
だったら水月は必然的に『俺の女』のはずだ。
それが何で祐の…になるのだろうか。
祐「…力……愛梨を諦めなくちゃいけないのは力の方だよ?」
(…俺が……水月を…諦める?意味分かんねぇ…)
力「…祐……おまえ、何言ってんだ?ふざけてんのかよ。俺と水月はもう離れられない仲なんだよ。それにさ、悪りーけど、水月はな、俺の子供生むまで言ってんだよ。俺達はちゃんとマジメに将来、考えてんだよっ」
俺は、今もこれからもずっと水月と一緒にいたいと思っている。
水月は俺がこの手で幸せにしたい。
祐「そうなんだ。まぁでも……愛梨はコドモみたいなところあるからね。おまえとそういう仲になったから単に勘違いしてるだけだと思うけど?…クスッ…」
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