再会

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愛「わざわざ家の前まで来てくれなくても…」 翔「っつーか、帰り道だし…」 結局、今日も先輩が私の家の前まで送ってくれた。 そこへお兄ちゃんがちょうどランニングから帰ってきた。 洋「愛梨……今、帰りか?遅かったな。あれ?河合…か。妹を送ってきてくれたのか?」 お兄ちゃんが一瞬目を細める。 翔「女一人だと危ねーだろ?」 そう先輩が答えると、 洋「まぁ、おまえが一番危なそうだけどな…」 二人の間に飛び交う何かが怖いっ。 翔「そんなことないよな?俺、超優しい先輩だし……」 そう言って先輩が私に同意を求めるけれど…… (うーん……微妙過ぎて何と答えていいのだろうか……) 洋「おまえも早く入れよ?」 そういうとお兄ちゃんは先に家に入っていった。 そして私もそれを追いかけるように家へと向かう。 愛「じゃぁ、先輩…また……あっ!」 翔「何?」 私は週末の予定を思い出していた。 愛「えっと、忘れてました。今週の土曜…私、部活休むんで…」 翔「何か用があんのか?」 愛「…試合…」 翔「試合…って……藤沢の?」 愛「…えへへ…」 先輩はおもむろに嫌そうな顔をした。 翔「もしかしてだけど、あの沙希ってヤツの面倒見ろとか?俺ムリだからな。それに、あの子も嫌がるだろ?」 愛「じゃぁ、恵先輩にお願いしておきます。」 翔「そうしてくれ。で、その試合、どこであんだよ?」 愛「…知らない…」 翔「なんだよ。場所くらい教えてくれたっていいだろ?」 愛「…ダメ…」 (っていうか、まだ場所、聞いていないんだよね…) 翔「俺もまた野球見てーなぁ…」 先輩は私をチラッと見て一緒に行きたそうな目をアピールする。 愛「…ひとりで彼を見に行きたいんで……」 翔「あー…最近、ホント冷てーなぁ…」
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