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愛「…も……もうそういう話やめてくれませんかっ?」
これから跳躍をまた開始するというのに集中できなくなる。
しかも今日は力も学校に来ている。
彼とのえっちな行為を意識しながらなんて跳べない。
翔「何を今さら……で、どんなカンジなんだよ?藤沢とはさ…」
愛「はいっ?」
(どんなカンジって…)
翔「だからさ、男に抱かれるって……どんな感じなんだよ? …ん?」
愛「そ…それは……っていうか、そんなこと先輩に言う必要なんてないし…」
翔「…俺分かんねーからさぁ…気になるわー…」
今度は完全に私をターゲットにして揶揄ってくる。
愛「…知りません。」
翔「知らないことねーだろ?毎晩ヤッてんだろ?」
開いた口が塞がらない。
そんな私に先輩は更に卑猥な質問を放った。
翔「…なぁ…愛梨……セックスって気持ちいいだろ?」
周りに人がいるかなんてまるでお構いなし。
愛「…な…ちょ……先輩っ…」
こんな会話を誰かに聞かれていたらと思い、私は慌てて辺りをグルリと見廻した。
幸い、跳躍用マットのある場所はトラックからも部室からもかなり離れている場所だったということもあり近くには誰もいなかった。
(…あぁ……良かった……)
そう思い安堵したのも束の間、先輩に視線を戻すと、何故か先輩は真剣な眼差しで私を見つめていて――
翔「…俺も…おまえ……抱いてみてーなぁ……」
その瞬間、先輩がそのマットへと私を押し倒した。
愛「…っ…」
翔「おまえを乱してみてぇ……」
慌てて私は起き上がろうとした。
だけど、先輩は即座に私の両手を掴むと、そのままマットに縫い付けた。
愛「…なっ…なに考えてるんですかっ…」
翔「えっ?俺はいたって真面目におまえのコト考えてるけど…」
愛「…じょ…冗談はやめてくださいっ」
翔「へぇ…冗談じゃなけりゃいいのか?ウサギちゃん?」
そう言って私のそのウサギのような髪の毛を手に取ったかと思うと、それを使って悪戯しにかかる。
翔「…ここ……とか?」
愛「…ぁんっ…」
いきなり感じる部分にそれが当たってしまい、思わず恥ずかしい声を上げてしまった。
翔「…へぇ…ココ感じるんだ……クッ…」
愛「感じません!」
翔「そう?じゃ、もいっかい…」
そう言ってまた悪戯をする。
愛「…っ……ぁ……ゃ……」
翔「…我慢すんなよ……」
愛「…や……やめて……」
力以外にこんなことされたくない。
私は必死で目で訴えた。
すると、
翔「…っつーかさぁ、そのおまえのウサギの耳みたいな髪が俺を誘ってんだって。ヤバいんだよ、それ…」
(ウサギの耳?……えぇーーー!?何でこんなもの?)
愛「すみませんっ!じゃ…じゃぁ、はずしますっ」
これがどうして先輩を誘う原因になるのか分からない。
だけど、これが原因だというのなら――
私は急いでその髪を解こうと髪に手を持っていこうとした。
…パシッ……
だけど、それはすぐに先輩によって阻止された。
翔「…やめろって……」
愛「あの……だって……こんな髪してるから先輩、ヘンなコトするんでしょ?だったら解けば…」
翔「いや、いい。もうそれで遊ばねーからさ。そのままでいろよ?ん……それ、似合ってるよ、おまえ…」
いつの間にか先輩は穏やかな表情になっていた。
翔「マジでさ、それ可愛いからそのままにしておけよ?藤沢にも見せてやったら喜ぶんじゃね?」
まさか先輩の口から力を気に掛ける言葉が出てくるなんて思いもしなかった。
(…力……どう思うかな……沙希ちゃんも似合うって言ってくれたし、もしかしたら力も懐かしがって喜んでくれるかな…)
翔「なーにひとりでニヤニヤしてんだよ……なんかムカつくなぁ…」
愛「ムカつくって…」
翔「どうせまた今晩もヤるんだろ?あー…いいよなぁ……俺もおまえと久しぶりにキスしてぇ…」
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