69人が本棚に入れています
本棚に追加
愛「…やだっ…やだっ!絶対にいやっ!」
私はカラダをバタつかして、先輩から逃げようとする。
だれど、マットに沈みこんでしまっていて動こうにもうまく動けない。
翔「大人しくしてねーと藤沢にバレるぞ?」
きっと私が大きな声を出せばその声が届くかもしれない。
だけど、こんな状況を見たらきっと彼は――…
大事な選手権前。
万が一のことがある。
(もし、力がキレて先輩を殴ったりでもしたら?…ダメだ。力は呼べない。)
翔「…どうした?別に藤沢、呼んでもいいんだぞ?」
愛「…先輩……分かっててやってるなんてヒドいよ…」
翔「え?なんのこと?んー…けどまぁ、大丈夫だって。藤沢からはここは見えねーからさ。死角だしさ、たまには違う男の味楽しめよ…」
そう言いながら、先輩は拘束していた私の手首を握りなおす。
翔「さてと……うまそうなウサギちゃん……観念しろ…」
愛「…やだっ……」
体を捩じって必死でもがいても身動きができない。
近づく先輩の顔――
愛「…やめて…ください…」
避けるように首を振るけれど、止めてくれる気配はない。
翔「動くなって……ん……しゃーねーなぁ…」
そう言うと、今度は抑えていた両手首を私の頭上へともっていき縫い付けて、
翔「大人しくしろって…」
先輩の大きな手が私の腕を拘束した。
翔「…これで身軽になったな……クスッ…」
私の両腕は先輩の左手で拘束され、右手は自由に。
その右手の指を妖しく動かせると、それを私の唇に這わせ、
翔「俺の味……堪能しろよ?」
ゆっくりと近づいてくるその唇。
愛「…ゃ……やめ……」
その時だった。
…ドカッ……
最初のコメントを投稿しよう!